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修学旅行の目的とは?教育的意義を解説

数日間家族と離れて宿泊し、友人たちとさまざまな学習活動をする修学旅行。

昔と比べて簡単に個人旅行ができ、必要な情報にもすぐアクセスできる時代ですが、それでも修学旅行はなくならず、学校行事のひとつとして実施され続けています。

本記事では、なぜ修学旅行が実施されるのか、修学旅行の目的と意義について解説します。

修学旅行を実施する3つの目的

文部科学省から出されている学習指導要領では、修学旅行に関して「平素と異なる生活環境にあって、見聞を広め、自然や文化などに親しむとともに、集団生活の在り方 や公衆道徳などについての望ましい体験を積むことができるような活動を行うこと。」(※注1)と記載されています。

まとめると、以下の3点について述べられています。

・普段と異なる環境で自然や文化などに親しみ、知見を広げる

・集団生活のルールを学ぶ

・公共マナーを身につける

 ※注1:「高等学校学習指導要領」(文部省告示第58号 平成11年3月29日)

普段と異なる環境で自然や文化などに親しみ、知見を広げる

修学旅行の1番の特徴は、普段とは違う場所で、体験活動を通じて学習するという点にあります。

1.教室の勉強では得ることができない知識に触れ、新しい経験をすること。

2.授業で習った場所を訪問し、直接見ることで、より深く理解すること。

知見を広げるための学習活動は、主にこの2つのパターンに分けられます。

1の場合、雪の降らない地域に住む生徒が雪国でウインタースポーツ体験をするなど、普段住む場所ではできない新しい体験をすることが当てはまります。

2は、歴史的建造物が残る地域を訪問するなど、教科書で習った場所を実際に見て回ることで、普段の授業と関連付けた学習をおこなうことを目的にしているといえます。

修学旅行は学びの自由度が高いため、科目や教科書にとらわれず、興味や関心に基づいて総合的に学ぶことが可能です。

集団生活のルールを学ぶ

修学旅行では朝から夜までの数日間を大勢で過ごすため、学校以外の場での集団生活のルールを学ぶいい機会です。

生徒は普段から学校のなかで集団行動をしていますが、学校の外に出て大人数で行動することは滅多にありません。

集団のなかでの自身の行動が適切だったか振り返る。

相手のペースに合わせ、気持ちに配慮する。

このような他者への思いやりを学ぶいいきっかけになるはずです。

公共マナーを身につける

若い生徒たちにとって、飛行機や新幹線などの公共交通機関の利用、ホテルなどの宿泊施設への外泊は、頻繁に経験できることではありません。

修学旅行では公共交通機関を使ったり、観光施設や宿泊施設など一般の人も利用する場所を多く訪れるため、実際の経験をとおして公共の場にふさわしい振る舞いを学ぶことができます。

また、チケットの購入やホテルでのチェックインといった一見簡単そうに見える手続きでも、初めてのときは戸惑うことも多いです。

修学旅行などの際に経験しておけば、社会に出たときに役立つはずです。

修学旅行の教育的意義

修学旅行を実施することで、教育的にはどのような効果が得られるのでしょうか。

文部科学省の通達(※注2)に修学旅行に関する指導についての記載があり、「留意してその徹底を図ること」とされています。

その内容を簡単にまとめると、以下の4つです。

・修学旅行のねらいや指導内容を、普段の授業内容に関連づける。

・自然保護や文化財尊重の姿勢を育てる。

・公共の場でのふさわしい行動を学び、集団生活や共同生活のルールを身につける。

・修学旅行中の学びや行動について振り返り、将来に活かす。

※注2:「小学校、中学校、高等学校等の遠足・修学旅行について(通達)」 (文初中第450号 昭和43年10月2日)

修学旅行のねらいや指導内容を、普段の授業内容に関連づける。

授業で習った内容に関する場所を訪問先に取り入れれば、教科書で得た知識に直接触れることができます。

日本の歴史に関連した土地だけでなく、国語で読んだ小説の舞台、音楽で合奏した曲の作者の故郷、地理で学んだ伝統産業がある地域など、さまざまな選択肢があります。

体験をともなった学習は知識として定着しやすく、より深い学びにつながることが期待できます。

自然保護や文化財尊重の姿勢を育てる。

先人が長い年月をかけてはぐくみ現代に受け継いできた大自然や歴史的建造物は、国や国民の財産といえます。

貴重な財産を将来へ引き継いでいくためにも、その価値を若者に認識してもらい、自分たちの手で守っていくべきものという意識を持ってもらうことが重要です。

生徒たちが修学旅行で得た感動や学びは、自然保護や文化財尊重の姿勢を育てる一助となるはずです。

公共の場でのふさわしい行動を学び、集団生活のルールや公共マナーを身につける。

修学旅行で団体行動をしたり公共施設を訪問することは、社会のルールや公共の場でのマナーを学ぶいい機会です。

公共の場でのふさわしい行動、集団のなかで過ごす際の望ましい態度や習慣は、一朝一夕で学べるものではありません。

社会に出たときのギャップをなくすためにも、修学旅行などの機会を利用して身につけておくことが望ましいです。

修学旅行中の学びや行動について振り返り、将来に活かす。

修学旅行で学んだことを整理・分析し、まとめて発表するなどの振り返り活動は、学習内容の理解を深めるために重要です。

意見交換をおこなったり共通の課題を持つことで、今後とるべき行動について意識づける効果も期待できます。

教員(引率者)にとっての目的とは

修学旅行は生徒の知見を広げるために実施されるものです。

引率者である教員は、生徒が安全な環境で学習に集中できるよう手助けする立場にあります。

ここでは修学旅行を実施するうえで教員が特に果たすべき役割について、3点解説します。

安全確保

生徒が心身ともに健康な状態で修学旅行を終えることが、何よりも重要です。

普段と違う環境での活動は、学校のなかで起こる問題とは違ったトラブルや事故が起こる可能性が高まります。

対処できる手段や人材も学校とは違うため、状況にあわせて柔軟に対応しなければなりません。

特に海外へ修学旅行に行くときは、より入念な事前準備が求められます。

もちろん事前準備だけでなく、修学旅行中の安全確保も重要です。

教員にとって修学旅行中は、気の休まるタイミングがなくハードな数日間となりますが、生徒の安全確保のため万全の対応を取りましょう。

スケジュール通りに進行すること

修学旅行をスケジュールどおりに進行することで予定していた十分な学習活動の時間を確保でき、期待していた学習効果が得られるはずです。

スムーズなスケジュール進行に特に重要なのは、集合時間を守ることです。

予定時刻に全員が集合していれば、公共交通機関への乗り遅れを防ぐことができ、次の目的地へも予定どおりに到着できます。

集合時間を守るためには、生徒に時間管理をさせるだけでなく、引率側の準備も欠かせません。

集合場所は十分に広いスペースを指定したり、大人数がまとまって移動できるルートの確保などが準備の一例です。

トイレの場所や個数なども確認しておくと役立ちます。

生徒の学びを手助けすること

生徒が修学旅行での体験を通じて深く学べるよう手助けすることも、教員の大事な役割です。

修学旅行は班別行動などもあり自由度が高いため、生徒が自主的に学びのテーマをたて、探究するいい機会になります。

テーマに合った適切な訪問先が選定できているか確認し、必要であれば訪問先での質問の受け答えの練習をするなど、充実した学習活動ができるようにフォローします。

修学旅行後には報告会などの振り返りの時間を確保することも大切です。

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